人の耳に聞こえる音、可聴音の振動数は20ヘルツから20,000ヘルツと言われている。演歌の女王と云われた美空ひばりや美声の持ち主の音声域を、某音声専門家の分析した時、ある共通点が明らかにされた。音声域を示す図は、山の形をしている。共通点は、可聴音以外の音域までもが、富士山の裾野のようになめらかに、丁寧に歌われていることだった。
結構という言葉は、家の構えが美しく出来上がる(結ぶ)ことからきている。美しく完成するためには表に見えない棟梁の技や仕口が隠されている。施主の夢や願いも吹き込まれているだろう。「美しいものには、力がある」と故人云ったが、今の世の中が美しく見えないのは、私達に、それを切実に希求する夢や、努力が不足していて、そのしくみすら見失っているからかもしれない。